ロースター・楡井有子のこと。

innocent coffeeの原点は、1998年に初めて自分のお店を出した、墨田区・曳舟の小さな自家焙煎コーヒー店です。

以来、たくさんのお客様に支えられながら、コーヒーからあまりにもたくさんのシアワセを受け取ってきました。

2004年に、イートインスペースを併設した「カフェシュクレ」をオープンしました。
東向島駅から徒歩3分。地元密着の、これまた小さなお店です。
毎日いろんなお客様とお顔を合わせて、様々な種類の、様々な味と香りのスペシャルティコーヒーをご提供しながら、みなさまの「今日も元気。」を確かめられることは、最高の喜びです。
そのことにふと気付いたとき、「少しでも多くのコーヒー好きの方に、たとえご体調の悪い時でも、朝も昼も夜もいつどんな時でも、コーヒーのくれるシアワセをお届けしていきたい」と強く思うようになりました。

シングルオリジン、スペシャルティコーヒーの「デカフェ」の研究を始めたのはそんな理由です。

デカフェは最初の店舗の時から扱っていましたが、長い間、「デカフェは美味しくない」「香りも味もものたりない」というのが通説でした。でもいつか、カフェイン除去技術が発達し、最高の農園の最高の豆がそんな技術と出会って、これまで培った自分の経験を生かして「豆の最高の実力を引き出す焙煎」がしっくりと噛み合ったら・・・。
そんな夢をずっと抱いていました。

そして、2014年の早春、ある素晴らしい実力の豆との運命の出会いがきっかけとなり、デカフェ・スペシャルティコーヒー専門ブランドを立ち上げる決心をしました。

「イノセントコーヒー」という名前は、純真無垢な珈琲愛のブランドという意味で、名付けました。

しっかりおいしいデカフェなら、どんな健康状態の方も、コーヒーを諦めなくて済みます。
元気いっぱいな方にとっても、おいしいデカフェを暮らしに取り入れてみると、コーヒー生活がさらに豊かに多彩になります。
おいしいデカフェは、お一人お一人の、多様性に満ちた様々なライフスタイルの一部になっていく可能性に満ちた、新たな選択肢です。

自他共に認めるスーパー珈琲オタクとして、これからも、コーヒーで幸せ創りをすることが夢です。
「おいしいコーヒー」づくりはもちろんのこと、
ずっと続けてきた「コーヒー教室」や、出張セミナーや、器具の監修も、ますます力を入れていきたいことです。
そして、次世代のロースターを育てることも。

娘たちの子育ても一段落し、これからもますますコーヒー道に邁進してゆきたいと思っております。

コーヒーに恩返ししたい、そんな気持ちです。

nirei