【コーヒーのプロと学ぶデカフェ】カフェインの眠気覚ましとコーヒーの歴史

私たちinnocent coffeeは、1998年から続けているデカフェ研究から生まれた、まだ日本では珍しいデカフェ専門ブランドです。
前回はそもそもデカフェって何?カフェインレスと何が違うの?という疑問についてまとめました。
今回は、コーヒーとは切り離すことのできないカフェインの作用のうち、覚醒作用(眠気覚まし)にスポットを当てていきます。

■カフェイン①覚醒作用(眠気覚まし)

カフェインは、アルカロイドという化合物の仲間であり、覚醒作用・鎮痛作用・興奮作用・利尿作用があることで知られています。

コーヒーに含まれる物質として非常にポピュラーであると同時に、頭痛薬や鎮痛薬の補助としても使用される、ある意味ではとても強い物質でもあります。

◎覚醒作用(眠気覚まし)とコーヒー発見の伝承

コーヒーを飲む習慣のある方の中には、眠気覚ましを期待して飲まれる方も多いかと思います。

コーヒー発見の伝承のうち、現在広く浸透しているものは「ヤギ使い、もしくはイスラム教修道者、律法学者が眠気覚ましとして使用したのが起源」となっていることからも、カフェインの眠気覚ましの効果は非常に古くから知られ、利用されていることが分かります。
今回は、現在最も信憑性が高いと言われている「シェーク・ゲマルディンの逸話」をご紹介します。

文献で遡れる限り、コーヒーを飲み物とし始めたのはアラビア半島・アデン近辺であり、植物としてのコーヒー(アラビカ種)の原産国エチオピアから15世紀半ば頃に持ち込まれたのではないかといわれています。
その根拠となる文献がアブ・ダル・カディールの写本(1587年)です。

アデンのイスラム律法学者ゲマルディン(1470年没)がエチオピアを旅した際にコーヒーの覚醒作用と薬効を知りました。
アデンに戻ったのちに体調を崩したゲマルディンは、エチオピアで出会ったコーヒーのことを思い出して取り寄せ飲んだところ回復。
この薬効、そして覚醒作用に目を付けたゲマルディンが、周囲のイスラム宗教学者たちに夜の勤行で目を覚ますのに利用できると勧めたことから、アデン一帯にコーヒーを飲む習慣が広まったとされています。

◎夜の睡眠とコーヒー、上手にカフェインと付き合うコーヒーの飲み方

カフェインが脳に到達し作用し始めるのは摂取後およそ30分、そして半減期はおおよそ4~8時間、個人差があると言われています。

(※半減期:成分の血液内の濃度が半分になるまでの時間)

つまり、眠気覚ましを期待してコーヒーを飲んだとしても、体からカフェインが抜けきるまでは最大16時間かかってしまうよ!という方もいる、ということになります。

午前中、シャッキリするためにコーヒーを飲むのはもちろんとても良いことです。
ですが、夜にぐっすり眠り疲れを取って翌日に備える、ということを考えると、やはり午後以降のカフェインの摂取は少しずつ減らすほうがおすすめです。

ここまでご紹介してきたカフェインの特性を踏まえ、innocent coffeeは次のようなコーヒーの飲み方をご提案しています。

午前中は普通のコーヒーを飲み、お昼過ぎ~15時以降はデカフェに切り替える

ノンカフェインの飲み物として麦茶やルイボスティー、ハーブティーもありますが、やっぱりコーヒーじゃないと落ち着かないよ……という方はぜひ、カフェインを除去したデカフェを試してみてください。

カフェインと上手く付き合いながら、美味しいコーヒーを楽しんでくださいね。

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